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2012年2月28日 (火)

【小説】ひなたぼっこ

2年前に書いたものです。
当時テキスポと言うサイトで800字バトルというものがありました。
それに投稿した作品。特選を頂きました。
ちょっと時期外れですが、発掘できたので。

 のどかな時間が流れている。
何だか周りがやけに静かだ。
そうか、今日は「正月」というらしい。

天気も良く風もほとんどない元日に屋根の上で昼寝をしているネコは思う。
そういえばやたらときらびやかな格好で出かける人間たちを見た。
どの顔も浮足立って楽しそうに笑っていた。

庭をうろついている自分を見つけてもさして気にしていないようだった。
追い払われないのは良いけどいつも鬼のような顔で追い払われていたのだから何だか気持ち悪い。

ちょっと前まではキラキラとした木がそこかしこにあったのに今は地味な松の木が玄関に置いてある。
ドアの所にはグリーンや赤の丸い飾り物からこれまた地味な丸いものに変わってる。
門松としめ飾りというものらしい。

人間にはいっぱい神様が必要なようだ。
見えない神様を大切にするなら見える俺たちネコも大切にして欲しいものだ。
温かい場所と飢えたお腹を満たしてくれれば他に何も要らないのに。

どうやらみんな出かけてしまったらしい住宅街はひなたぼっこには最高。
この屋根の住人たちも初詣とやらに出かけたようだ。

ふあぁぁとあくびを一つ。

お日さまは気持ちいいし、屋根も程良く温まっていて寒さを感じない。
こんなに静かで穏やかな日は最近では珍しい。
しかもどんな気まぐれなのかここの住人に美味しい魚を貰った。

正月というのは人間が気前良くなるらしい。
毎日こんな日が続くといいのに。

ふあぁぁとあくびをもう一つ。

ぽかぽかとしたお日さまに勝てるものなんてない。
ここ数日身にしみる寒さだったからなあ。
誰にも邪魔されないひなたぼっこは本当に最高。
いつまでもいつまでもこうしていたい。

ふあぁぁとあくびをまたもう一つ。

の平和で静かな時間をもう少しだけ堪能するためにもうひと眠りしよう。

                           了

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