リンク

« 【小説】ずっと一緒(それぞれの願いシリーズ第2段) | トップページ | ネコにマタタビ »

2012年3月22日 (木)

【小説】陽だまりの猫(それぞれの願いシリーズ第3段)

 小さな町に猫達の集会場がある。
それこそ老若男女、いろいろな種類の猫達が集まって陽だまりに昼寝をしている姿がほのぼのとして心温まる。
僕はその中の1匹と知り合うことが出来た。

ほら猫達の中心でひと際気持ち良さそうに昼寝をしている白ネコがそうだ。
首には僕があげた小さな白い骨の首飾りをしている。
どうもここへ来る前につらい経験をしたらしい。

あれは1か月前いつも通る川沿いの道を仕事帰りに歩いていると白ネコが寝ている姿を見つけた。
最初は気にも留めなかったけれど、毎日毎日天気が悪くてもいつも同じ場所で寝ている
事が気になった。

いつも通りの帰り道珍しくその白ネコがいなかった。
いなかったらいなかったで気になる。
僕はいつも白ネコが寝ている場所に行ってみると、そこには鳥の骨があった。
大きさからしてたぶんカラスか何かだろう。

いったいこのカラスの骨が何なのか・・・。
カサっと言う音で振り向くと白ネコが警戒心丸出しで立っていた。
僕が話しかけるが毛を逆立て威嚇を止めてくれない。
こちらに危害を加えるつもりはなくても通じないのが少々哀しい。

骨を守っているのだろうか。

その日はあきらめてその場を去った。

それから毎日 白ネコと仲良くなろうとそこへ通った。
最終手段はマタタビだ。
これは気に言ってくれたらしく徐々に距離が近づいて僕の手から餌を食べてくれるまでになった。

ここまで懐いてくれたらそろそろ良いかもしれない。
白ネコにカラスの骨を一つ貰っていくことを言い帰宅した。

あの白ネコとこの骨になってしまったカラスの間にいったい何があったのか気になるが僕が知る方法は残念ながら無い。
カラスの細い小さな骨に細心の注意を払い少しずつひもを通せる穴を開けていった。
穴にひもを通す。
あいつは飼いネコじゃないから首輪は出来ない。
その作業に数日を要した。

出来あがった物を持って再び白ネコの元へ行った。
来てみて驚いた。
衰弱してる。
骨をかばうように眠っているようだ。
ネコ用のミルクを与えてみるとおいしそうに飲んでくれてほっとする。

僕は白ネコの首に骨をかけてやった。
「これでいつでも君が守っていたカラス君と一緒だ。ここをたとえ離れてもずっと一緒だ。
だから君は仲間を見つけて欲しい」

そう話しながら願いを込めて白ネコの目を見る。

何を言われたのか分からないようだが、表情が明るくなったような気もする。
思いの外ネコと言うのは表情が豊かだ。

首飾りを渡した数日後、白ネコがカラスの骨のがあった場所から居なくなってしまった。
無事なんだろうか。ちゃんと食べているのだろうか。
そんな心配をしていることを白ネコは知らないんだろうな。

ネコの集会場を見つけたのは白ネコを探し続けていたそんな時だ。
見たことのある寝姿のネコが陽だまりの集会場で昼寝をしていた。
そうか、君は仲間を見つけたんだ。
抜け出せなかったつらい過去を乗り越えたんだね。

僕はそこを通る度に猫達に挨拶をする。
「やあ!白ネコ君とその仲間たち!」

そんな声にあの白ネコが尻尾を軽く振って挨拶をしてくれる。
首にはあの白いカラスの骨がぶら下がっていた。

そうだ、君たちはこれからもずっと一緒だ。

いったいあの2匹の間に何があったのかそれはまた別のお話。。。

******
取りあえずこれで終了です。
頭の中には第4段が無きにしも非ずですが、活字になるのはもう少し先かなあ。
今回のみ人間からの視点です。
出来れば白ネコの一生を書きたいと思うのですが力量が伴わずなかなか出来ないで居ます(^^ゞ。
ここまで読んで頂きありがとうございます。

« 【小説】ずっと一緒(それぞれの願いシリーズ第2段) | トップページ | ネコにマタタビ »

書きもの(小説等)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【小説】陽だまりの猫(それぞれの願いシリーズ第3段):

« 【小説】ずっと一緒(それぞれの願いシリーズ第2段) | トップページ | ネコにマタタビ »